Navi.1 サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする

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自立の第一歩 子どもなりに、自分で必要だと思うことを自分でやることが大事

サッカーの試合に行くと、よく見かける光景があります。

試合場でのチームの場所取り、飲み物も着替えも、何から何まで親が準備。

子どもはただ単に用意されたものを飲み、言われるままに着替えるだけです。

いつも必ずそろっているから、「ありがとう」さえ言わない選手もいます。  

お手伝いいただくのは大変ありがたいことです。

でもその多くは子どもたち自身で十分にできること。

あるいは、子どもたち自身が、した方が良い、する必要があると分かることです。

むしろ、子どもなりに、必要なことは自分で必要だと思って、自分でやるということこそ大事。

足りなかったり不便だったりしたら、自分で考えて、工夫したり相談したりで何とかする。

そして次はそうならないようにすることが大切です。

私たちは、サッカーでは自立が大切であると考え、自立した選手を育成しようとしています。

自立しているというのは、自分自身で判断して、責任をもって行動するということです。

誰かにやれと言われたからではなく、自分自身がやりたい、やった方が良いと思うからやる。

失敗も自分の判断によるもの。

誰かのせいにはできません。

また、何から何まで大人が揃えてくれる環境に子どもたちが「あって当然」と思うことは間違いです。

用意してもらえない環境では何もできない、適応できない子どもになってしまうでしょう。

何から何まで常に用意されている環境を与えることがマイナスとなることもあるのです。

サッカーの合宿に集合した時に、スパイクシューズを忘れてきてしまった子がいました。

その子に聞くと「いつも自分ではなく母親が用意しているので自分のせいではない」とのこと。

親が電話をしてきて、届けに来ると言います。

「運動靴でやらせますから結構です。」とお断りしました。

3日間の合宿で、その子は滑りやすくやりにくそうに走っていましたが、運動靴で最後まで練習しました。

その後、その子は決して忘れ物をしないようになりました。

お母さんによると、それ以来必ず自分自身で用意をするようになったとのことでした。



クラブへ協力 子どものサポートであることを忘れずに

一般的に、少年団やクラブの活動には、みなさんの協力が不可欠です。

みなさんの一生懸命な応援や献身的な協力のお気持ちはたいへんありがたく、子どもたちにも励ましになります。

練習の送り迎え、また、特に遠征や試合等では、年齢が低いほど、引率やお世話の必要が生じます。

実際、そういった協力なくしては運営が成り立たないクラブもあります。

何から何まで、やれる限り何でも、ではなく、クラブの考え、指導方針と合うようにしましょう。

クラブとよく相談して、求められていることを確認しましょう。

いちばん重要なのは「子どもたちの成長にいちばん良いこと」をすることです。

みなさんのやりがいや満足、あるいは大人同士のつながりを保つためではないのです。

本当はクラブに積極的に関わりたいと思っていても、いろいろな事情でできないばかりに、
いたたまれず子どもにクラブをやめさせてしまうのも、残念なことです。

子どもが犠牲になるようなことがあっては本末転倒です。

あくまで子どもの活動のサポートであることを忘れずに、大人同士で考え、話し合い、カバーし合っていくことが大切です。

ただし、無関心は子どもにとって非常にさびしいことです。

忙しい、余裕がない、といった事情はあるかもしれませんが、気にかけ、関心を持ち、機会をつかまえてそれを表現するには、いろいろな方法があると思います。

できるやり方からやってみてはいかがでしょうか。

気にかけてもらっていることは、子どもにとって喜び、励み、勇気になります。